学校で素因数分解を習っても、いくつかの数字で試してみてオシマイであり、いったい何の役に立つのか分からない、という受験生もいるかもしれません。

しかし、最大公約数や最小公倍数の問題を考えるとき、素因数分解は大変便利です。

例えば、60と96の最大公約数を考えてみると、

\(60=2^2\times3\times5\) 、\(96=2^5\times3\) となり、

双方に共通の因数を最大限取り出したものが最大公約数ですから、 \( 2^2\times3=12\) となります。

また最小公倍数は、各素数について、より大きい指数を含んだものになります。具体的には、2が5乗、3が1乗、5が1乗を含んだものとして

\(2^5\times3\times5=480\) が最小公倍数になります。

素因数分解は約数が何個あるのかを数えるのにも重宝します。

例えば60の約数の数を考えることにします。

\(60=2^2\times3\times5\) になりますから、

60の約数は、2, 3, 5をいくつ含むかに応じて、必ず以下の式で表すことができます。(ここで、含まない場合を「ゼロ乗(=1)」として扱うのがミソです。)

 

ここで、2の「含み方」は3通り、3の「含み方」は2通り、5の「含み方」は2通りありますので、約数の数は、これらの組み合わせの数となり、3×2×2=12通りとなるのです。

ここで紹介した60や96であれば直接数えてしまう方が早いですが、より大きな数になる場合には、素因数分解を是非活用してみて下さい!